こんにちは!宮崎市で小学生・中学生のためのフリースクール「My little academy/マイリルアカデミー」を運営している福島百香です。
秋の訪れとともに肌寒くなってきましたね。
秋は私の一番好きな季節ですが、朝晩の冷え込みで、体調を崩さないようご自愛ください。
前回、前々回のブログでは、私自身の不登校経験について、大人になってからの分析を交えながら綴りました。
一般に「不登校」と呼ばれる子どもたちは、繊細で個性豊か。真っすぐな心で必死に自分を守ろうとしています。多くは賢く、物事を深く見通す力を持っています。
「不登校の子どもたちの居場所づくり」と話すと、「難しい子を相手にしているんですね」という印象を持たれがちです。悲しいことに、多くの塾や習い事では、不登校の子や発達に遅れが見られる子を受け入れてくれません。
幸い、私が働いていた英会話教室では1歳から受け入れていたので、年齢が上がって不登校になったり、発達障がいの診断がついても、すでに通っている子を辞めさせることはありませんでした(新規入会は断られることもありましたが)。そのおかげで、本当に個性豊かな子どもたちと関わり合うことができました。
子どもたちの不登校の原因や状態は実に様々です。
いじめ、先生との相性、学業についていけない、給食が食べられない、苦手な授業や行事がある、などの他にも、繊細な気質、発達の遅れ、ジェンダーの問題、スマホ依存、心身の不調など、社会の多様化に伴い、子どもたちの抱える問題も複雑化しています。
そもそも公教育という一つの機関、30人に一人の担任の先生に全ての問題解決を求めるのは、無理があるのかもしれません。
今日は、私が英会話講師時代に向き合ってきた延べ200人を超える生徒の中で、強い個性を持つ子どもたちの秘めた素晴らしさと、「マイリル」を立ち上げる勇気をくれた生徒たちについて少しお話しします。
お子様の選択肢として、マイリルをご検討いただいている保護者の皆様に、「うちの子も変われるかも!」と感じていただければ嬉しいです。
【Sちゃん・小学1年生】
Sちゃんは、明るくて甘えん坊な女の子で、スキンシップが大好きでした。教室の前まで来てもなかなか入れない日があったり、教室のルールを守れなかったり、急に情緒不安定になることがしばしばありました。お母様が病院で検査を受けたところ、自閉症の傾向とIQの遅れが見られたと報告を受けたのは、彼女がまだ小学校に上がる前でした。
「自閉症」と診断がついたわけではなく、あくまで疑いの段階という、いわゆるグレーゾーンでした。Sちゃんの通うクラスは人数も多く、年下の子たちもいたので不安もありましたが、大好きなSちゃんに楽しく英語に通ってもらうため、お母様とよく相談しながら進めていくことにしました。
療育施設でボランティアをしたり、関連書籍を読み漁ったりして、彼女との向き合い方を学びました。役立つ知識も得られましたが、最も身に染みたのは、本に書かれている傾向や対策は参考にはなるものの、目の前にいるのは一人の人間であり、同じ人間は二人といないということでした。
まずはSちゃんが安心できる環境づくりに取り組みました。彼女は手を握ったり、抱きしめたり、私が彼女をよく見ていることを伝えると安心しました。そのため、クラスの他の子にSちゃんが時々先生と手をつないで授業を受けると伝えようとしましたが、みんな甘えたい年頃なので「ずるい!」となることが予想されました。
そこで、みんなで円になって授業をすることにしました。すると、Sちゃんが手をつないでいると、他の子もおんぶをせがんだり、膝の上に乗ってきたりしました。Sちゃんは自分が一番優先されないと癇癪を起こしていたので、しばらくは満足いくまで最優先にし、落ち着いてきたら「交代!」「少し待ってね」と伝えました。癇癪になると根気強く、他の子たちも同じように甘えたいのだと説明しました。
しばらくすると、彼女は驚くほど落ち着いて授業を受けられるようになりました。
他の子にも甘えたり、じゃれたりすることを許可したので、みんな楽しく通ってくれて、Sちゃんを手助けしてくれる子が増えていきました
ところが、小学生になると、以前のような癇癪ではなく、他の子をいじめるようになりました。
問いただすと、どうやら学校で年上の子たちに同じことをされ、自分も年下の子たちに同じようにしていることがわかりました。「とっても悲しかったね。○○ちゃんも同じ気持ちのはずだよ」と伝えると、わんわん泣いて謝りました。
彼女は学校生活で深く傷ついているようでしたし、お母様の気持ちや心配を伺うと胸が痛みました。
一方で、彼女には多くの長所がありました。落ち着いて授業を受けられるようになったこと、英語が得意で色彩感覚が素敵なこと、ユーモアセンスがあって人を笑わせるのが上手なこと。最初は意地悪だったクラスの子たちもSちゃんのおかげで成長し、進んで人助けをするようになったのを目の当たりにし、子供達の成長を本当にうれしく思いました。
Sちゃんのような子が多くいて、学校生活で傷つき、可能性を奪われているとしたら? こういう子には1年だけの担任ではなく、もっと長いスパンで見守ってくれる大人が必要ではないでしょうか。
残念ながら私も異動になってしまい、Sちゃんとの関わりを続けることができず、とても悔しく、心残りでした。しかし、彼女のような子どもたちのために、「個性があっても安心して学べる教室」としてマイリルアカデミーを設立しました。
悔しさを胸に、今度はより長い時間をかけて、ゆっくりと成長を見守る第三者機関として、Sちゃん親子のように悩む方々のお役に立ちたいと願っています。
長くなってしまいました…すみません(汗)
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
マイリルのHPはこちらから→https://www.my-little-academy.com/